People's opinion,

日本語訳は【世論】。


【世論】
世間一般の意見。
公共の問題に対し、多くの人々が共有している意見（考え）の事。


私はこの言葉が非常に嫌いなのです。

何がって、この少数派の意見は無い物と見なす傲慢さが嫌い。


じゃあそもそも【世論】って何なのか。
誰が調べて誰が言ってるのか。
国民の１人１人の偽り無い本音を調査している人間がいるのだろうか。
そんな事有る筈無い。


ここからが集団心理の怖い所。


そもそも私が思うに、皆の言う【世論】という“モノ”は存在しないんじゃなかろうか。

まぁそれを完全否定しようとも思いませんが。

有るのか無いのかの真意を確かめるのは非常に困難且つ面倒だ。

さっき言った集団心理の話ですが。

例えばアンケート。
これで【世論】を調べるとしよう。

アンケートの質問に対して、必ずしも皆さんの中には皆の答えそうな“無難”な解答と“本音”の解答が頭に浮かぶはず。


意識調査開始。



『政治家●●氏の汚職に対してどう思いますか？』



こんな質問があったとしよう。

皆さんは、

無難に
「腹が立つ」とか
「政治家としてどうかと思う」という解答が頭をよぎる反面、

「正直自分に関係無いからどうでもいい」とか
「汚職があった事を知らなかった」という本音の解答が頭にある筈。

ただ、集団心理が働くと面白い。

「変な答え方をして皆に反感を買いたくないから無難に答えよう。」

「取り敢えず面倒だから皆が言いそうな事を言っておこう。」


こうなる。


で、解答には「腹が立つ」と「政治家としてどうかと思う」と書き込まれる。

ゆえに意識調査の結果、政治家は国民から大ブーイングを受けた形になる。
これが【世論】だ。


何か変じゃない？


じゃあもう少し掘り下げて考えてみようか。


アンケートの例で上がった「無難な皆と同じ考え」っていうのは何か。

何故に国民は「皆がそう答える」と思うのか。


答えは簡単。


単なるマスメディアの意見、ないし願望が【世論】としてメディアから大々的に紹介されているからだ。

テレビのニュース番組ではキャスターを筆頭に政治家の汚職を大々的にを罵る。
週刊誌やラジオは汚職をした政治家に大々的にヤジを飛ばす。


要するにマスメディア、それこそが【世論】なのだ。
そして、マスメディアも人間の手によって作られている。


はい、ここで大きな疑問が生まれる。


「じゃあ現状ではマスメディアを作ってる少数の人々が世論なんですか？」


答えはYES。


マスメディアから流れる情報は皆が目にする公共の情報であり、それが皆の常識として定着する訳です。
極端な話、マスメディアで「美人だ」と言われれば、【世論】では美人なんですね。

因みに、こういう現象を「アナウンス効果による情報操作」と言ったりします。


奇妙キテレツもいいとこだ。


一部の人間の偏見を大衆の意見として纏め上げるのは止めて頂きたい。

まぁ日本人はもともと無宗教国家に生まれた信仰心の無い人間ですからね。
独りでいるのが怖いんでしょうか。


別にロンリーウルフを気取る気なんてサラサラ全く無いんですが、私自身が大衆に右往左往させられて生きるのは御免被りたい訳です。


私がこんなクソ長いブログを書いて何が言いたいのかというと。


この【世論】という奴、音楽の世界にも言えるって事なんです。

このまま日本が、存在も不確かな【世論】に固執してると、
メディアに執拗に露出する海外アーティストの真似事にしかすぎない商業音楽、
歌詞も曲も書けない事務所のお飾り的なアーティスト、
周りにのせられて歌っちゃったアイドル、女優、男優、
そんな収入の為だけに飾り付けられたチープなイルミネーションみたいな奴らにオリコン独占される日が日本に近々来るかも知れないって事。


海外のオリコンTOP10の真似事ばっかりして無宗教の情けなさをアピールしても仕方無いでしょ。

消費者社会の中、唯一消費されないモノ。

それが私達が作る“芸術”でしょう。

牙無き故に消費されていく真似事アーティストに中指立てて、私達が芸術家として今頑張っていかないでどうする。


つーわけで皆さん、これからも共に頑張っていきまっしょい。

KLEIN-玄でした。